コナラやケアキの原生林が大きく間隔をあけて生えている。春にシフトしたような太陽が差し込んでいてとても明るい。縦走の終盤、海が広がる。地球が丸い。
ふもとに降りる。下界は草も、我先にと陣取り合戦のように込いっているなあと感心しました。帰りに実家に寄りお母ちゃんになぜ嫁としてあそこに行かなかったんだとせめる。それから嫁姑などの話になり、こちらからすれば当然の思いもあちらには全く通じないことがあるのだなあと、お母ちゃんの顔をしみじみ見た。
どうにもならないのだなあと思っているとお父ちゃんが帰ってきて皆月の話になり、小説にもなっているし、人によってはあそこは犯罪者が隠れやすい地形で、ちょっと不気味なところがあるなあと、何気に言うと、父らしくもなくへらへらと笑いながら、昔、朝鮮人が海から上がってきたから、どこそこのなんとかさんが殺して、わしの家の田んぼに埋めたことがあってな、それからその田んぼはチョウセンタンボって言われるようになってな。「あんたもももしかしたら、殺人に手を貸したんと違うやろね」と尋ねると益々、父はへらへらとなって「違う違う」と茶化すのでありました。一瞬父がのっぺらぼうに見えたのでした。
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