2012年8月1日

スイカとビール。

世界遺産の舞台。おおげさに言っているのではない。

今日は一日座禅のついたちだが、八月大名の百姓であり、適量の水を必要としている出穂寸前の稲のことも考えて、タマワリをしようと。ミゾキリ、クサカリ、ミズイレ(田んぼに水を入れる)その他。とりあえずビールで、sakataから順番にまわろうと。急いで、やることはそんなにないと思っていたのだが、チビチビと水が入ってしまっている田んぼがあったりして、すぐに段取りは狂う。
どこまで、草を刈るかとか、別に完全に水を止める必要のない漏水を完璧に止めようとして時間を食ったり、段取りが一度狂うと狂っていることが普通の状態になってしまう。Tsyouten裏1の水が一部抜けていないので、溝を深く掘りかえして水を出そうとするも、用水に水が流れていなかったのにもかかわらず、田んぼに水が入っている。用水の入り口からもほんのわずかだけ、水がチビチビと入っているのだが、こんなわずかな水の流れの威力を感じたりして、うーmm・どうしたらエエのか。とブツクサやっていて、やはり、とりあえずビールみたいな感じで、田んぼのクサカリを始めて終えて、目を上げるとSさんとご近所のおばさんが二人で、こっちを笑ってみている。
「動き軽いね。クサカリキ、ヒョイヒョイや」「がんばるね」「あんた一人でたいへんやね」
「毎日ラクなことばっかりしてますから」と返事して適当ここうとしたが、なかなか、離してくれない。(いや、俺が離したがらないのかも)話はいつしか、世界農業遺産に。「おかあさん、あなたがそうして、普通に生きていて、家周りをきれいにしていること自体が世界遺産なんですよ」とおなま。「そんなこと、べつに、ただやってるだけやし」「そうそう、世界的に見て、稀有な存在であるという、その自意識の無さが、世界遺産なんですよ」。心の中では、どうか気づかないでください。と祈っている。ちようど、雑草と不必要な水のある田んぼの一角を目の前にして、3人で語らっている。心のどこかで、この田んぼはいったいどうしたらいいんですか。という話題にもっていきたいのだが、できない。(虚栄心)。あんた、wajimaの出身なんやろ。どこ?kobayashi乾物店の向かいの角地で生まれました。へっそこまで細かくきいてない?およびでない。「やっぱし、食い物があって、水もどこかに汲みにいけばいいし、山にはえているもんも食べれるし。のんびりしているし」。あとはお金がソコソコあれば・・・・・。と小声でつぶやく。散会。やっぱし、田んぼの排水を聞いとけばよかったと思う。いつ終わってもいい。自分の段取りを自分が決めるのだから、いつ終わってもいいということはいつまでもやっていてもいいということでもある。yoromiのこのていねいな風景が名残おしくて、yoromi old villageのメインストリート(この道はそんなに古くないのだそうだ。byムラのばあちゃん)をうろちょろする。ひぐらしの声が目立ち始めた夕刻、うすぼんやりしてきた光は、世界遺産の名をけがすかのような、おおざっぱなyoromi田んぼのクサカリ跡をも優しく包んでくれる。
とりあえず、帰ろうと。思い出した。「ここに住んどるんやから、ここの住人やよ」jusaiは冗談などまったく通じませんよ。ことばどおり受け取りますよ。道よ、おまえも、新参ものやなあ。
ひぐらし。yoromi田んぼ街道。

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