2011年6月12日

やすむぞ2


民主党の補助金制度のせいであろうか、長年休耕していた田んぼで田植えがされている光景に出くわします。田んぼが復活することはめでたいことなのだとは思うのだが、うがってみてしまうとお米の生産量と補助金が第一義で、田んぼ自体に目がいっていないのではないのかと思ってしまいます。もちろん、お金が悪いと言っているわけではないですし、生産量はとても大切な目標であることは間違いないですし、何も古き善き田んぼというような国粋的な思想によるものでもないのですが、なんだかさびしい。
笑ってしまうほど、丁寧に草刈がなされている畦道や周辺の様子をまるで家の中を手入れしているようだと思っていた近隣の農家の人たちの仕事ぶりが実は日本の美しさのかなりの部分を育ててきたのではないかと思えます。
そうした丁寧な仕事振りに比べたらわれわれだって土木的な仕事ではあるのですが…。
なんというかわれわれは頭で田んぼ仕事をしているが、在来の農家の方々は身体全体で田んぼにいるというか仕事ではなくて人生のしっかりしたひとコマを営んでいるというか、時間をしっかりと積み重ねているというか。
きっとお百姓さんはおれの田んぼなんて思っていなかったのだろうなと思う。先祖から受け継いだ田んぼを当然のように子孫に残すためにやっていたのだろうと思う。言葉にするとちょっと変だけれども、そんなに自分のことを言語化していなかったんだろうなあと思う。


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