2011年5月11日

田んぼの記録4

田んぼの畦を鍬で切っていると、ひょっこりアオガエルが顔を出す。水口のまわりに土を塗っていると手にアカハライモリが裏返っている。カエルはじっとしているがつまみ出そうとすると逃げる。イモリはだるそうにもぞもぞする。稲だけのためにやっているのだから余計な草が生えないように稲だけに都合のよいように工夫をこらす。必要なことと無駄なことの区分けを考えながら一日ぬかるんだ不安定な泥水の中を歩く。が目は思いもよらぬ景色を選ぶ。人の家の庭先に揺れるチューリップだったり神社の背に広がる大きなナラの林だったり、ただ揺れるだけの何かだったり、それでも勝手に動く鍬は一重に秋の米の収穫に促されている。ただそれに従っていることに気づく時、私の意識も私自身が選択しているわけではなくて意識そのものが自分のものではない奇跡のように感じる。なんちゃって。


0 件のコメント:

コメントを投稿