小春日和。やさしい言葉。 |
とりわけ怖いのは梯子から足を離して屋根に上がる瞬間です。帰りも怖い。梯子にいざって近づいて、立って、梯子に足をかけて、そして、体を反転させる時がなんとも言えず怖いです。だいぶん慣れましたが、それでも、怖い時に思うのは、なんと平地で安穏とボケーっとしているのかということです。高いところと、へびがダメだから自給生活者にはなれんなあ。それに不器用で釘も満足に打てない(特に4寸釘以上)。一人ではまず、自給生活をできない男なのであります。無芸、大食、人畜有害。高い志も無く、無難に人生を終われたらよしと思っているし、身体が遺伝的に丈夫で(胃痛の経験がない)、寝つきの時と集団生活以外の時はまことに熟睡できるし。(夢も覚えていない)いやなことからは逃げ続けているし。人の文句を言うのは上手だが、自分をきらいきらいと言いつつも、自分にまともに反抗したこともなし。煙草をバカバカ吸うし、真夏はわざわざ、ビールを買いに行くし。まともな定職を持ったことがなく、奥さんのパートで食べさせてもらっているヒモのくせに、奥さんをいたわるどころか、結婚初期から中期まで、DV夫だったし。
………。もうやめます。キリがない。ほんとにダメなことを、こうしてわかっているのなら、なぜすぐに今にでもやめないのか。屋根の母屋瓦と同じくらいにしか、思っていないんだ。いや母屋はすごく大事なところなんだけれども。
完全に真っすぐなんてムリ。これでいいと自分に言い聞かせる。 |
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