2012年8月8日

山土を干す。(来年の苗箱用)

 今夏は蚊が少ない。ハエやアブは多い。アブは田んぼでも自宅でも遠くからやってきて、ブンブンとうるさい。両手をどっちも使っていたりして、追い払うことができないときをみはからったようにやってきて、さす。痛いけれでも、たかがアブ。スズメバチのようにいのちにかかわることはない。
とんでくるたびに「あわれなやつやなあ」と思う。からだに止まったりして、たまに叩き落して、にぎりつぶすと、中身が空っぽですかすかな体をしている。ますます、あわれになる。
 それに比べると、ジャイアントスズメバチの偵察員は威厳が違う。近くでホバリングしたりして、こっちを見ている。「ごめんなさい、ごめんなさい」と本気で言うと、フンってな感じで、あっちに行ってくれる。そこでも、アブのことを思う。「やっぱり、あわれやなあ」
 また、オニヤンマもかっこいい。家のまわりを周回して、たまのホバリングなど、ほんとうにかっこいい。それに比べたら、オスプレイなんぞ、おとなのオモチャだ。(ほんものの大人のオモチャに失礼だが)ハエを食べてくれるので、細君はオニヤンマが大好きだ。三度、ここでも、アブのことをあわれだと思う。アブの卑怯さは、自らの卑怯さを知っていそうなほどだ。願わくば、自分のあわれさを自覚できれば、すばらしいと思う。
宝の山より。ビニールハウスで一月ほど干します。

温室(ビニールハウス内に閉じ込められたアブ。
心から、アブのことを思う。

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