2012年4月4日
ミッションコンプリート。
昨日の嵐のなごりのような強風が吹いておりましたが、太陽が結構出ていました。今日もかめちゃんの電話で始まりました。今、スピーカーの彼といっしょにいるから来てくれないかと。午後3時に来てくれと。水道が止まっていて、午前中現場をちょっと見て昼飯を食べてからと思っていたら、再びかめちゃんから電話があったという。今すぐに出てくれないとと怒っていたらしい。すぐに家を出て有料道路に飛び乗る。まず今日もスピーカーは運べないだろうと思いながら、スピーカーの彼の家に向かう。2時間弱で到着すると、やはり誰もいなかった。まだ3時じゃないからとあたりをぐるぐるまわって時間をつぶす。そして再び、スピーカーの彼の家に。待つしかないと軽トラを家の前に止める。新興住宅街っぽい。田んぼと農道わきの角地の真新しい住宅であった。時計もケイタイも持っていないので、時間がわからない。風が強い。何とか、スピーカーをかめちゃんの家に持っていきたいと祈る。目の前に見えるのはカエルのおきもの。そして農道上の鏡。支柱には危険の文字。かめちゃんが昨日言っていたのだが、スピーカーの彼には霊能力があるらしい。怒りがわきそうな気配をなんとか抑えて、般若心経を唱える。少し暑かったので開けていた軽トラの窓を閉めて小さな声で。遠くに目をやると雪をかぶってまだ白い白山連峰が見える。田んぼの向こうにはグランドゴルフに興ずる老人たち。やっぱり無理かと思ったら目の前にスピーカーの彼の自動車。中からやっとスピーカーの彼の姿が。春の嵐にまで例えた強烈な印象とはまったく別物の実年令よりは若々しい姿。よくよく考えてみれば、午後3時をちょっとまわったくらいだったのかもしれない。そして彼の口から「あんな人とそう長くいることもないですから」とかめちゃんの居ない理由も至極あたりまえのことである。自分が正常だと思っている人ほどおかしい人はいないのではないか。どちらがあたりまえなのかと思う。とにかく一刻も早くスピーカーを運び終えたい私は二本の背丈が1メートルぐらいのスピーカーを運んで、車に乗せて、彼からほぼ逃げるように家を後にする。少しでもスピーカーに傷をつけないように思うと、道路の段差やらアスファルトのゆがみやらがよく目立つ。金がもったいないけれど、再び有料道路に乗って、かめちゃんの家に向かう。到着するとかめちやんはうれしそうに縁側のサッシ戸を開けて待っていた。帰り際にミッションコンプリートと言うと、かめちゃんが驚いたようにそれ、どういう意味ですかと聞いてきた。「任務完了です」つくづく人のために何かをやれない男だ。私は。と思う。ミラレパの伝記に目の前で父母が殺されても絶対に怒ってはいけないという警句が載っていた。今の私は目の前で箸が転がっても怒ってしまうのだ。
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