2011年1月22日

今は冬なんだ



金はないし、雪はひどいし

車は壊れるし、税金は取られるし

おもしろい詩を書こうと思っても

書けないし

素直になろうと思うほど体に力がこもっちまうし

みんな幸せそうだなあ

自分の不幸が世界一だって自信も

だんだん失ってしまったし

絶望ってほんとに思えたらもう絶望ってないのかも

ほんとに思えるのはほんとに絶望って時だけかも

雪は勝手に降ってくるし

とにかく今は冬なんだ

2011年1月20日

エグジステンス(存在)ラボラトリー(実験所)



詩の朗読会 in よろみ村-お坊さんです

  左ムホウさん 右ワジュさん








                                              左ムホウさん 右JUSAIさん(チッチヤ)

正法眼蔵を読む


1月17日18日に兵庫県安泰寺の住職、ネルケ無方さんを迎えて現成公案の勉強をしました。正法眼蔵は曹洞宗を開いた道元禅師が書かれたテキストです。禅のテキストですから法の本質を指摘する部分の難解さを頭の中でイメージするしか手がありませんでした。勉強会に参加した人たち同士でディスカッションをする時間があるのですが私は常に中途半端な物語としてしか理解したことを言えず、さらに考えようとするとイメージさえ言葉に容易に変換されたように見え、結局自分の脳裏に写る文章をぼそぼそと音読しているような状態でした。もとより正法眼蔵に何が書かれてあるのかを知りたいはずなのですが、講師である無方さんに具体的に何を尋ねるのかすら思い浮かびませんでした。よくあるパターンですが何がわからないのかがわからない幼稚園児のようでした。(幼稚園児ほどの純粋な好奇心があればいいのですが、実際に考えていることは何とか自分が本当の自分になりたいという欲望しかないように思います。)無方さんの著した新潮新書が近日、出版されましたがそのテキストの中にも確かにそのような文言がありました。本当にこういう自分が勉強会の場にいることが恥ずかしかったです。こういう言い訳が全く無方さんは届かないんだと思いますがやっぱり言っておきたい。
正法眼蔵の勉強会は毎年冬になると他のお坊さんを招いて行われるのですが、いつも同じ言い訳が重なります。素直にテキストの中の文言に対しての質問をしたいのですが、どうにもクリアーにならない自分でありました。でも無方さんが今日(1月19日)龍昌寺を去りましたがそのような堂々巡りがあっさりと消えてしまうのが不思議です。残り香すらありません。そして又いつもの自分探しが反省と悔恨を引き連れて始まるのです。どうにも何を勘違いしているのかがわからないどころか、この強烈な自我は自分自身を否定することが絶対にできないのだとおびえた目をして小さな声でぶつぶつと呟いています。
あまり真正面から見れませんでしたが、無方さんの姿はこうした臆病者の典型を私の思いの中に示してくれます。全く無方さんの意図するところであるはずがないのでしょうが、自己否定を肯定し続ける私にほんのわずかな光明を開いてくれたように思います。小さな窓が閉じないうちに外に出ようと思います。




上の画像は2010年五月の勉強会のものです。
(講師はよろみ村 龍昌寺 住職 村田和樹)



                                           

                               


2011年1月18日

悩んでいるふりをしている君(ネルケ無方さん)



言葉の力にも限界がある

そう思った瞬間

言葉にならないものが発生した

のではなく

すでにあった言葉が

限界を生み出した瞬間を捕らえられず

ほら未来が今カコになる

女の名前のような過去になる

思い出のような

歴史のような

過去という言葉に依存する

未来を抱きしめられないようにして

過去に抱きしめられる

顔が宙に浮き

何を考えているのか

自分が何を考えているのか

考えるほどに

普通にしゃべる言葉すら見失う


これら全ての

生々しい事実は

言葉のない場所で発生していたのに

千年のスケールで書かれてある

難しい顔をしてしまうと

思いもよらず

古典としてカコを解釈してしまう

僕のためだけにあらわれたテキストにしてしまう

カコはまだ生きているんだ

言葉にできないのは

カコがもういないんだという

思い込みの強さを見つけられる

シュゴがいないからだ

言葉の限界がこの私を主語として区切る

だから意識には際限がなく

ぼんやりとした輪郭を描くことで

永遠を語りだす

永遠とつりあうためには

言葉に出来ないものがあると

言葉で表現するしか手がない

カコはその言葉が大嫌いだ

いなかったのはそれをきいてくれる人ではなくてぼくじしんだった

2011年1月17日・18日 著者ネルケ無方(安泰寺住職)
よろみ村龍昌寺にて
正法眼蔵 現成公案を講義
¥777
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迷える者の禅修行―ドイツ人住職が見た日本仏教 (新潮新書)/ネルケ 無方

¥777
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2011年1月14日

機械の中の幽霊



あまりにもスカスカな文字のやまにいやけがさしそうになると

そのまわりのすてきですばらしい広告のやまに癒される

密室でひとりキーボードを鳴らしている男が

ほんとうは孤独からは遠いのだと知らせてくれる

しかもその広告はスカスカな文字のやまを頼りにやってきたのだ

私情をはさまない、いわばエコノミカルな行為は

たとえ機械的に誘導されたとしても好感が持てる

そのすてきな広告のやまは一人の孤独な男を

もしかしたら孤独からは遠いのかもしれないと知らせてくれる

今日はどんな広告がやってくるのだろうか

機械の中の幽霊はどんな顔をしてやってくるのだろうか

機械の中の幽霊 (ちくま学芸文庫)/アーサー ケストラー

¥1,529       (文庫で出てるとは思いませんでした)
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幽霊よりも、スカスカな詩の方が怖くて

内容も忘れちまった本のリンクを張っちまった(中原中也風に)

2011年1月13日

時間がタイムマシンに乗って



目に見えぬ水の流れを封印した

つららは時間を止めて

手のぬくもりをもたずさえて        

今私の目の中にある

解けだした時間がつららを語る           


語りだしたのは時間のほうで               

水の流れは今も小さな川をつくり続けている             つらら

流れているのはつららのほうで

今もなお語る方法が見つからないで                     

ただつららを持つこの子の胸で

語られる希望が固まろうとしている

一方で                             
微生物が時間を封印して        

まな板の上で

自分の行き先を見つめる

目に見えない微生物の時間を

心ではとても感じられなくて       

口の中で確認しようとする                        くわん

目がここにある

つららとたくわんが似ていると

ムリヤリ思う目が口を邪魔している




2011年1月12日

微生物はほんとうに我々の会話を聞いていないのか


そんなにきびしくなくてもいいじゃないか いや飯がくえなくなります 目に見えないことのほうが大切なんだよ いやノルマがあるんです 貧乏だっていいじゃないか いや最低限のお金はいります コンビニのレジでもおそえばいいじゃないか そんな能力と勇気があったらこんなことになっていないんです 冗談だよ 私は本気で自分の人生を考えているんです 今なにしてる? 麹菌(☆)を米にこすりつけているんです (☆お味噌用の米麹を作っている) 麹菌が見える? まじめにやりましょう だから今なにしてる? 麹菌が見える? ふざけてるんですか 痛いと麹菌が言った 強く押さえつけないでと確かに言った 麹菌をお米にすりつけるの図へのリンク 

2011年1月10日

すんません

自立したテキストを編むには

自立した人間であらねばならない

韻文はそうした人間をまるごと表現する

もはや文字の組み合わせが書く人を超える

逃げ出したくなるのを押さえ

代わりにひとつ言い訳とすんませんの山に逃げ込む

2011年1月7日

自己紹介(3/3)

回数を表示するまでもなく

所在を明示するまでもなく

システムエンジニアが見出した方法により

我々は表示される

ゆえにわたしは表現に専念する

わたしが大好きなのは文字

ハイパーなのはシステムの方だが

いっそうわたしはPCも驚くような

文法を編み出したい

さあその場所を何と呼ぶか

      宮武農園のjunちゃんに捧ぐ

自己紹介(2/3)

まじめにやろう まじめにやろう

そう考えれば考えるほど

今なにやってるのだろうと

ぶつぶつしちまう

ほーれみろ

もう今ではない

考えると消えるのが本当の私

などと考えているうちに軽自動車は

目的地に近づく

まじめになろうと思えば思うほどふまじめになる自己に反して

なんとこの軽自動車はまじめにつくられて

まじめに自分の家に運んでくれることか

自己紹介(1/3)

公然と埋められたリンクボタン

場面描写を不要にするというハイパーテキスト

言葉によらずして場面だけは一目瞭然

だが肝心の自分自身はそこにいるのか

息遣いだけが匂い 視線だけが漂う

これが俺なのか

こんなつまらないものが俺なのか